こんにちは、ぐりっぐです。
配管継手業界に10年以上携わり、営業や新人教育をしてきた経験をもとに、今回は『ボールバルブ(BV)』に焦点を当てて、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
他にもバルブについて個別で書いている記事がありますので、気になる方は下記リンクからご覧になってください。
- GV.BV.GLVとは?バルブ5種類の違いや用途をわかりやすく紹介!
- ゲートバルブとは?仕組み・メリット・注意点を継手営業マンが解説!
- グローブバルブとは?仕組み・メリット・注意点を継手営業マンが解説!
今回の記事では『ボールバルブ』について、詳しくご紹介していこうと思います。
このような疑問をお持ちの方におすすめの記事となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
それではいきましょうっ!
そもそもボールバルブってどんなバルブなの?

前回の記事ではグローブバルブについて解説しましたが、今回は「操作が簡単で、現場でも大人気のバルブ」であるボールバルブをご紹介します。
ボールバルブとは、バルブの中に「ボール(球体)」が入っていて、そのボールに穴が開いています。
ハンドルを回すことでボールが90°回転し、穴が配管とまっすぐ合えば流れる、穴が塞がれば止まる、というとてもシンプルな構造のバルブとなります。
- 家庭の水道メーター周りや機器の接続など
- 工場のライン(油・ガス・水など幅広く対応)
- 空調設備や冷温水配管
ボールバルブの構造と開閉の仕組み
ボールバルブはレバーを90度回すだけで開閉できます。
これは内部のボールに開けられた穴が「配管と一直線になっているかどうか」で流体を流すか止めるかを決める仕組みだからです。
- レバーを配管と同じ向きにすると → 穴が一直線になり、流体が通る(開)
- レバーを直角にすると → 穴が塞がり、流体を止める(閉)


ボールバルブのメリットとデメリット

では次にボールバルブのメリットデメリットについて解説していきます。
バルブを選定する際の参考になると思いますので、ボールバルブの特性がいまいちわからない方は、メリットデメリットを覚えていただき、知識を深めていただければと思います。
メリット(特徴)
ではまずメリットから参ります。
- レバーを90°回すだけ(ワンタッチ)で開閉できる
- 密閉性能(シール性)が高い
- コンパクトで設置スペースを取らない
ボールバルブは操作が簡単で、完全に開ける・完全に閉めるのどちらもすぐにできるため、緊急時でも素早く対応できます。
さらに構造的に「漏れにくい」バルブでもあり、幅広い流体に対応できる点が強みです。
またバルブ本体がコンパクトなので、設置するスペースを取らないのもいいメリットとなりますね。
デメリット(注意点)
次はデメリットについての解説です。
- 流量調整には向かない
- 高温・高圧下ではシール材が劣化しやすい
- 大口径ではコストが高い
ボールバルブは全開・全閉に特化したバルブなので、細かい流量調整には不向きです。
また、内部のシール材(樹脂など)が高温や高圧に弱い場合があるため、条件によっては他のバルブを選定する必要があります。
ボールバルブはゲートバルブやグローブバルブよりも大口径になればなるほど、価格もかなり上がってきます。
ボールバルブの種類を決める『ボア』とは?

ボールバルブには大きく分けてフルボア・スタンダードボア・レデュース(ト)ボアの3種類があります。
【フルボア】
配管の内径と同じ大きさの穴が開いているタイプ。
流体がまっすぐスムーズに流れるため、圧力損失がほとんどありません。
大口径配管や流量を落としたくないラインに使われます。
【スタンダードボア】
配管内径よりは少し小さめですが、実用上大きな問題がない程度の穴サイズ。
流れの効率とコストのバランスが取れており、最も一般的に使用されています。
【レデュース(ト)ボア】
配管内径よりさらに小さい穴になっているタイプ。
流路が狭くなるため圧力損失は増えますが、その分バルブ本体をコンパクトにでき、コストも抑えられます。
「流れ重視ならフルボア」
「バランス型はスタンダードボア」
「コスト重視ならレデュースボア」
と覚えておくとわかりやすいと思います。
この記事ではざっくり解説しましたが、さらに詳しい仕組みを知りたい方は、下記記事をチェックしてみてください。
▶︎▶︎ボール弁のボアとは?フルボアやレデューストボアなどの違いを解説!
まとめ:ボールバルブの第一印象!

いかがでしたでしょうか?
今回は「最もシンプルで扱いやすいバルブ」であるボールバルブについて解説しました。
ゲートバルブが「止める・流す」、グローブバルブが「止める+調整」に強いのに対し、ボールバルブは「素早く・確実に止めること」に特化した便利なバルブです。
家庭から工場まで幅広く使われる万能選手ですので、覚えておいて損はないバルブとなります。
一度に全てを覚えれない場合は、またこちらの記事を参考にしていただければ幸いです。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました!