こんにちは、ぐりっぐです。
この業界では現場や配管図面、商品のカタログなど色々なところで、「ソケット」や「カップリング」っていう単語がいっぱい出てきます。
ソケットとカップリングってどう違うんですか?
このように新人の方はもちろん、ベテランの方からもたま〜に質問を受けることがあります。
結論になりますが、継手屋さんの目線では
ソケットもカップリングも同じもの
となります。
ですが
「カップリング」という名前が入った継手も存在しますので、そこが混乱ポイントになっているんですね。
本記事では業界では頻繁に出てくる「カップリング」・「ソケット」について詳しく継手営業マンが詳しく解説していこうと思います。
- カップリングとソケットってどう違うの?
- カップリングっていう商品は何があるの?
- どうやって商品を選定したらいいの?
このような疑問を感じている方にはオススメの記事となっておりますので、ぜひ最後までご覧になってください。
それでは行きましょうっ!
ソケットとは?
まずは「ソケット」からご紹介していきます。
ソケットとは、管と管をまっすぐにつなぐための継手のことを指します。
両端がメスねじになっているものから、パイプを差し込んで溶接する、差し込み形状になっているものが主流です。
簡単に説明すると、ソケットとはパイプを直線的に延長したい場合に使う商品となります。
鉄の材質でもステンレスの愛質でも構造は基本的には同じです。
カップリングとは?
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参考画像元:ショーボンドマテリアル株式会社様
続いて「カップリング」の説明です。
英語で書くと “Coupling”という表記となり、意味は「つなぐもの」「連結する部品」となります。
つまり、英語でいう“Coupling”=日本語でいう“ソケット”なんですね!
そのため、「1/2カップリング」と記載されていた場合は、継手屋の感覚では「あ、これは15Aソケットね」と自然に読み替えます。
ただ、問題はここからなんですね。
ショーボンド・アトムズ・長堀工業など様々なメーカーがありますが、メーカー毎に「カップリング」という商品が存在します。
上記メーカーのカップリングは、確かにカップリングという商品ではあるんですが、私たち継手屋さんから見ると、全くの別商品という認識をしております。
「カップリング」という言葉の使われ方はバラバラ
先ほど少しだけご紹介しましたが、実は「カップリング」という単語はメーカーや継手のカテゴリー違いでまったく違うものを指しているんですね。
私なりに簡単にまとめてみましたので、下記表をご覧ください。
| 呼び方 | 意味 | 主な用途 |
|---|---|---|
| カップリング | ソケットと同義 | 一般配管、ねじ込み継手 |
| 機械式カップリング | ボルトで外から締めるタイプ | ショーボンド、アトムズなど |
| クイックカップリング | ワンタッチで着脱できる継手 | エアライン・油圧配管など |
たとえば「ショーボンドのカップリング」や「アトムズのカップリング」は、機械式継手と呼ばれるタイプとなります。
この商品はボルトを締めて外側から管を固定する仕組みで、ねじ込み継手や溶接継手のように加工を必要としないのが特徴です。
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参考画像元:ショーボンドマテリアル株式会社様
ワンタッチで着脱できるクイックカップリングは、長堀工業や日東口器などの俗にいうワンタッチカプラーのことをクイックカップリングと言います。
つまり、「カップリング」という名前でも、メーカーや商品のカテゴリーによって構造も使い方もまったく別物になってくるんですね。
継手屋さんから見た“ソケットとカップリング”
ここで改めて整理させていただきます。
何度も言いますが、継手業界で働いている私の目線では
ソケット=カップリング と認識しております。
ねじ込み(差し込み)カップリング=ソケットという逆の見方もします。

上の画像のソケットも種類は違いますが、大まかな括りで言うと「カップリング」となります。
「ショーボンドのカップリング」や「長堀工業のクイックカップリング」はなどは同じカップリングですが、完全に別物という認識です。
「カップリング」という単語だけでは基本的に判断ができませんので、
「ねじ込みソケットのことを言っているのか」
「機械式継手のことを言っているのか」
「クイックカップリング(カプラー)のこと言っているのか」
こちらを必ず確認をする必要がございます。
商品選定で迷ったときは・・・
もしあなたが「どっちを使えばいいんだろう?」と迷ったときは、以下の3点をチェックしてみてください。
- 接続方法(ねじ込み?溶接?ボルト締め?)
- パイプの材質(SGP?SUS?)
- 使用圧力や温度(圧力が高い場合は通常のソケットでは対応ができない場合もある)
この3つを確認することができれば、ある程度商品を絞ることができます。
ねじ込みや溶接タイプのカップリングの場合はそもそもが、機械式やワンタッチ式がないので消去法で通常のソケットが選定されます。
逆に機械式の場合は、ねじ込み(溶接)ソケットやワンタッチ式が選択肢から外れますので、ショーボンドなどのカップリングが選定されます。
このように継手の商品がわからない場合は、必要な情報を出して絞っていくことで商品を選定することができます。
まとめ:ソケットとカップリングは呼び方が違うだけで同義
いかがでしたでしょうか?
今回は業界では頻繁に出てきますが、あまり認知されていないソケットとカップリングの問題について解説していきましたが少しでもご理解いただけたでしょうか?
改めておさらいしますが、
- ソケット=カップリング(言葉の違いだけ)ただし
- 「ショーボンド」「アトムズ」などのカップリングは別ジャンル
- 文脈・用途・メーカーによって意味が変わる
- 英語表記の“Coupling”は、ほぼソケットのこと
業界では昔から「カップリング=ソケット」として使われてきましたが、最近はメーカーの商品の種類も増え、意味がどんどん広がっています。
言葉の意味を正しく理解しておくと、「これカップリングじゃなくてソケットね」なんて判断がすぐにできるようになります。
どちらも『つなぐための道具』という意味では同じなんですが、『どうやってつなぐ』かで意味が全然変わっていきますので、本記事をご覧になって少しでも参考になって頂ければ幸いです。
ここまでご覧になって頂きありがとうございました。


